〈奇跡の百年桜〉
明治29年(1896年)、牛久停車場(現在のJR牛久駅)が開業しました。
この停車場の建設にあたっては、おとなりの茎崎村小茎(現つくば市)の『ヤマさん』が多くの土地を格安にて提供しました。
開業時にはホームに沢山の桜が植えられ、毎年多くの利用客と地元の方々に安らぎと親しみを与えていたそうです。
昭和36年(1961年)6月1日に常磐線は電化され、その工事のため開業時に植えられた桜の木は一本だけを残してすべて切られてしまったのです。
奇跡的に残った一本はホームの外側にかなり大きく傾いた桜だったため、送電に影響ないと判断され命びろいしたそうです。
その奇跡的に一本だけ残された桜は今でも西口交番の奥で美しい花を咲かせ、『牛久』という『まち』と常磐線を使う『人々』を見守り続けてきました。
私たちはこの桜を見るたびに、当時『ヤマさん』の大親友で植栽を申し出た『カワさん』との熱い絆を感じることができます。
それは二人の《この地域が将来すばらしい街になってほしい》という、時空と世代を越えた熱い想いです。
大きな幹の半分は朽ちていますが、毎年堂々と咲き誇る姿を見るたび勇気が湧いてくるのです。
奇跡の百年桜は今も牛久駅に佇み、街を見守っています。
お近くにお越しの際には、ぜひご覧になってください。